2月23日 (木)  ホンダから新しい軽自動車が・・・

今日ホンダから新しく全チャンネル(現行のプリモ・クリオ・ベルノのすべてのホンダの販売店が
3月より全車種を販売するので)で販売する記念すべき新型車の発表を行いました。
ライフベースの軽自動車なので、個人的には魅力に乏しいというかホンダらしさの感じられない
車に思えてしまいます。
ダイハツのタントや三菱のi(アイ)ほど攻めた設計が無いですし、デザイン的にもどこかで見たことが
あるような、いわゆるプアマンズ○○って感じがして、あんまり売れないような気がします。
このような個性に乏しい車がデビューしたかと思うと、エポックな二度と作られることが無いような
歴史に名が残るような名車(個人的な意見です)が今年で生産を終えることになりました。
その車とはホンダ インサイトです。
デビューは1999年ですが、現在でも市販車で世界最高クラスのリッターあたり36kmの
素晴らしい燃費を出すハイブリッド車です。
NSXと同じアルミモノコックボディ、専用エンジン等等内容からするととても200万円前半の
価格とは信じがたい車です。
(4〜5年落ちのインサイトの中古車は程度が良い物でも100万円台前半で買えてしまいます。)
とにかく軽量化への執念は凄まじく、例えばフロントのブレーキキャリパーもアルミ、
リヤのドラムブレーキもアルミ、エンジンのアルミ化は当たり前でオイルパンにはマグネシウム、
フロントフェンダーやサイドシルやAピラーのアウターには樹脂パネルを採用する等徹底しています。
そして空気抵抗を低減する為に風洞実験から生まれた市販車としては驚異的なCD値0.25の
エアロボディなど燃費追求の為に限界まで攻めた設計がなされています。
簡潔に言うと採算度外視で世界一の高燃費市販車を作るために技術者の情熱が詰まりまくった車です。
そしてその軽さ、空力の良さ、低重心、アルミによるボディ剛性の良さからくる走りの楽しさには素晴らしいものがあります。
ホンダという会社は時としてこのような他社が絶対に真似のできないことをやってのけるメーカーなのです。
1960年代からF1に参加していたり、初の4輪市販車にDOHCエンジン搭載の軽トラと
オープン2シーターのスポーツカーのS500を採用したりとまさにサプライズな稀有なメーカーでした。
ビートやインサイトにはたくさん売って利益を上げようというよりも、自分達の作りたい物を
とにかく妥協しないで作り上げようとした情熱というか夢の具現化を感じることができるのです。
この情熱や夢は本当に車が好きな者にしか理解できないモノだと思います。
それはひとたびステアリングを握って走らせればすぐに感動と共感を伴って我々に伝わります。
このあたりが三河商人の作る車とは一線を画すのですよねぇ。
かの人達には当分ビートやインサイトのような車は作れないでしょうねぇ。
若い世代が自社の車を購入していないというデータを得ると、すぐさまイメージアップのために
F1に参戦したりサーキットを買収したり。
お金持ちだから何でも買えるでしょうが、情熱や夢を持って車作りをするってことはなかなかお金では
買えないと思います。